コンピュータ言語ではなぜ×が*で÷が/なのか。 その3

次に最古の高級言語である FORTRAN 言語を調べてみる。
Wikipedia アスタリスクによると「乗算に * が使用されたのは、FORTRAN が設計された際に、IBM 721 系のカードパンチ機に×のキーが存在しなかったため、* で代用した名残といわれる。」とある。
FORTRAN は 1954 ドラフト、1956 マニュアル、1957 コンパイラリリースとなっている。
つまり ASCII の最初の制定時(1963) にコンピュータ言語として FORTRAN がすでにあった事になる。
FORTRAN は今の言語仕様から考えても、除算も / を使用していたと思われる。つまり * や / は FORTRAN 由来と考えて良いように思う。
しかし、コンピュータ言語 ALGOL 60 (1960) では×÷があったのである。
1961 ALGOL のために ASCII にバックスラッシュが追加されたという事もあるようだ。
結局×÷が ASCII に入らなかったのは、やはり世界共通ではないのと、ALGOL とは異なりすでに実用となっていた FORTRAN での * / の採用が大きかったではないかと考えている。
ということで、×÷が ASCII に入らなかったため、コンピュータ言語では乗算は * で除算は / で代用するという事になったのではなかろうか。

余談
コンピュータ言語 APL (1964) も×÷があったが、これもマイナー言語なため、ほとんど影響はなかったと思われる。


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